先生が本気で歯医者を選んでみる

2026年5月
  • 歯科医師が教える子供の歯の本数と永久歯への移行期

    生活

    子供の口腔ケアにおいて、私たちはよく20と28という数字を強調します。これは言うまでもなく、乳歯の総数20本と、永久歯の標準的な総数28本を指しています。この8本の差がどこから来るのか、そしていつどのように増えていくのかを理解することが、予防歯科の核心です。乳歯の20本は、生後半年から3歳までの間に、まるでお花が咲くように順番に顔を出していきます。この時期のケアは、親御さんが主役となって20本を虫歯菌から守る戦いです。そして6歳前後を迎えると、お口の中では劇的な変化、いわゆる混合歯列期が始まります。多くの方が誤解されているのは、乳歯が抜けてから新しい歯が生えるという点ですが、実際には乳歯20本がそのままある状態で、その奥から21本目以降となる永久歯、すなわち第1大臼歯が生えてきます。この歯は乳歯の助けを借りずに独立して生えてくるため、最も虫歯になりやすく、かつ最も強力な咀嚼力を発揮する重要な存在です。その後、12歳頃までに20本の乳歯がすべて永久歯に生え替わり、さらにその奥に第2大臼歯が加わることで、計28本の永久歯列が完成します。この移行期において、歯の本数が一時的に増えたり減ったりしているように見えるのは、生え変わりのプロセスが複雑に進行している証拠です。歯科医師としての視点から言えば、この時期に最も注意すべきは本数の変化に伴う自浄作用の低下です。歯が抜けた部分や半分だけ生えている歯がある状態では、通常のブラッシングではどうしても汚れを落としきれず、28本の完成を待たずに虫歯を作ってしまうリスクが高まります。1本1本の歯が今どのような状態にあるのか、そして最終的な28本に向けてどのように並ぼうとしているのかを、3ヶ月に1回のプロフェッショナルケアを通じてチェックしていくことが、将来的な医療費の節約と、何よりお子様の全身健康に直結します。本数を数えるというシンプルな行為が、実は高度な健康管理に繋がっているのです。親御様にはぜひ、お子様の口の中を宝探しのような感覚で観察していただき、新しい歯の芽吹きを一緒に喜んでいただきたいと思います。