舌の白さは、前述した舌苔やカンジダ症以外にも、まれではありますが、他の疾患のサインである可能性も否定できません。例えば、「扁平苔癬(へんぺいたいせん)」という慢性の炎症性皮膚疾患が口腔内に発生した場合、白い網目状の病変として舌に現れることがあります。これは、自己免疫疾患の一つと考えられており、原因はまだ完全には解明されていませんが、ストレスや特定の薬剤、金属アレルギーなどが関与している可能性が指摘されています。また、非常に稀ですが、前癌病変や早期の口腔癌が白い斑点として舌に現れることもあります。このような白い斑点は「白板症(はくばんしょう)」と呼ばれ、こすっても除去できない特徴があります。白板症は喫煙やアルコールの過剰摂取と関連が深いとされています。もし、舌の白い症状が長期にわたり改善しない、あるいは他の症状(痛み、しびれ、出血など)を伴う場合は、自己判断せずに速やかに耳鼻咽喉科や口腔外科などの専門医を受診し、精密な検査を受けることが極めて重要です。早期発見・早期治療が、これらの疾患に対する最善の対処法となります。舌の白い症状に対して、様々な民間療法が試されることがありますが、その効果や安全性については注意が必要です。例えば、重曹で舌を磨く、特定のハーブティーを飲む、オイルプリングを行うといった方法が挙げられます。重曹は研磨作用があるため、頻繁に使用すると舌の表面を傷つける可能性があります。また、口腔内のpHバランスを崩すこともあり、かえって問題を引き起こす可能性もあります。ハーブティーの中には抗炎症作用や抗菌作用を持つものもありますが、舌の白さの根本原因を解決するものではありません。オイルプリングは、口内の細菌を減少させる効果があると言われることがありますが、科学的な根拠はまだ十分ではありません。これらの民間療法を試す前に、まずは歯科医や医師に相談し、自分の舌の白さの原因を正確に把握することが重要です。もし、舌の白さが感染症や他の疾患に起因している場合、民間療法だけでは改善せず、症状を悪化させてしまうリスクもあります。自己判断での民間療法に頼るのではなく、専門家の指導のもとで適切なケアや治療を行うことが、安全かつ効果的な対処法と言えるでしょう。
白い舌に隠された病気の可能性