「笑いすぎて顎が外れる」という表現は冗談のように聞こえますが、医学的には決して珍しいことではありません。ある二十代の男性の事例では、友人と談笑していた際、あまりの面白さに激しく大笑いをした拍子に、本当に顎が外れて戻らなくなってしまいました。笑うという動作は、顔全体の筋肉を激しく動かし、口を大きく、かつ不規則に開閉させます。この男性は元々、顎の関節が少し緩い自覚がありましたが、笑いによる急激な開口と筋肉の収縮のタイミングが重なり、下顎頭が完全にロックされてしまったのです。笑っていた直後に突然、表情が凍りつき、口を開けたまま沈黙してしまった彼を見て、周囲は最初、新しいネタか何かだと思って笑い続けていました。しかし、彼が必死に顎を押さえ、苦悶の表情を浮かべ始めたことで事態の深刻さに気づきました。救急外来を受診した際、彼は「恥ずかしくて死にそうだった」と後に語っていますが、病院側は至って真剣でした。医師からは、大笑いした際に筋肉が過剰に引き伸ばされ、反射的に強い痙攣が起きたことが原因だと説明を受けました。整復自体は数秒で済みましたが、その後の一週間は炎症のために笑うこともできず、食事もゼリー飲料中心の生活を余儀なくされました。この事例から学べるのは、どんなに楽しい場面であっても、自分の肉体的な限界を忘れてはいけないということです。特に、過去に一度でも顎が外れそうになった経験がある人は、笑うときも少し意識を保ち、あまりに大きな開口にならないよう気をつける必要があります。また、周囲の人間も、顎を外してしまった人に対して笑いものにするのではなく、速やかな医療機関への付き添いなどの冷静な助けを提供することが求められます。笑いは健康に良いものですが、度を越した動きが思わぬトラブルを招くこともあるという、少し苦い、しかし教訓に満ちた物語です。
笑いすぎて顎が外れた驚きの事例とその結末