先生が本気で歯医者を選んでみる

舌にできる「できもの」は、私たちの食生活や会話に大きな影響を与えるだけでなく、心理的な不安も引き起こします。多くの場合、これらは良性のもので、適切なケアや自然治癒で改善が見られますが、中には放置すると重大な病気に繋がる可能性のあるものも存在します。舌の異常を軽視せず、早期に適切な対応をとることが、健康を守る上で非常に重要です。舌に発生するできものとして、まず挙げられるのは一般的な口内炎です。これは舌の粘膜にできる白い潰瘍で、ストレス、疲労、栄養不足、物理的な刺激などが原因とされます。通常、1〜2週間で自然に治癒しますが、痛みが強い場合は市販の薬で対処できます。また、舌乳頭炎は、舌の表面にある味蕾が炎症を起こした状態で、赤く腫れてチクチクとした痛みを感じます。辛いものや熱いものを避けることで改善に向かいます。さらに、粘液嚢胞は、唾液腺の出口が詰まって唾液が貯留し、水ぶくれのようになるものです。痛みがないことが多く、自然に破れることもありますが、繰り返す場合は治療が必要です。これらの良性の症状であれば、口腔内を清潔に保つこと、刺激物を避けること、十分な睡眠と栄養を摂ることで、多くの場合は改善が期待できます。しかし、舌の異常を放置することには、いくつかのリスクが伴います。最も懸念されるのは、悪性疾患、特に口腔がんの可能性を見逃してしまうことです。口腔がんは、初期段階では痛みがないことが多く、単なる口内炎やできものと間違えられやすい特徴があります。もし、できものが2週間以上治らない、次第に大きくなる、硬さを感じる、出血を伴う、あるいは舌の動きが制限されるといった症状が見られる場合は、速やかに医療機関を受診する必要があります。口腔がんの早期発見は、治療の成功率を大きく左右します。発見が遅れれば、治療がより侵襲的になり、舌の機能や見た目に大きな影響を及ぼす可能性が高まります。また、良性のできものであっても、放置することで感染症が悪化したり、慢性的な炎症に発展したりすることもあります。慢性的な炎症は、将来的に悪性化するリスクを高める可能性も指摘されています。専門家は、日頃から鏡で舌の状態を定期的にチェックすることを強く推奨しています。舌の色（通常は薄いピンク色）、表面の滑らかさや凹凸、できものの有無、大きさ、色、感触などを確認する習慣をつけましょう。