喋るのも辛い舌の口内炎と過ごした一週間
それは本当に突然のことでした。朝、コーヒーを一口飲んだ瞬間、舌の先にピリッとした激痛が走ったのです。鏡で確認すると、小さな白い点ができていました。最初はたいしたことないだろうと高をくくっていましたが、その考えが甘かったことをすぐに思い知らされました。日を追うごとにその白い点は大きくなり、赤く腫れあがった周囲とのコントラストが恐怖心を煽ります。食事はまさに苦行そのものでした。大好きだったカレーも、熱々のラーメンも、今はただの拷問器具にしか思えません。結局、その週の私の主食は、冷ましたおかゆと栄養補助ゼリーになりました。しかし、食事以上に私を苦しめたのは、会話でした。人と話すたびに、舌が歯や口蓋に触れ、そのたびに電気が走るような痛みに襲われるのです。言葉を発するのが億劫になり、会議での発言も最小限に。友人からの電話にも出られず、無口で不愛想な人間になってしまったような自己嫌悪に陥りました。痛みを和らげるために、市販の塗り薬やパッチタイプのものも試しました。特にパッチは患部を物理的に保護してくれるため、食事中の痛みはかなり軽減されました。夜寝る前にビタミン剤を飲むことも日課になりました。効果があったのかは定かではありませんが、何かにすがりたい一心でした。そして、地獄のような日々が始まって一週間が経った頃、ふと痛みが和らいでいることに気づきました。鏡を見ると、あれほど憎らしかった白い点が少し小さくなっているように見えます。その瞬間は、本当に心から安堵しました。この経験を通じて、普段当たり前のように行っている食事や会話が、いかに尊いものであるかを痛感しました。もう二度とあんな思いはしたくありませんが、健康のありがたみを再認識する貴重な一週間だったとも言えます。