毎日の歯磨きこそ最高の予防歯科です
プラークコントロールの基本は、なんと言っても毎日の歯磨きです。しかし、ただ何となく歯ブラシを動かしているだけでは、残念ながらプラークを効果的に取り除くことはできません。自己流の磨き方では、全体の6割程度のプラークしか落とせていないというデータもあるほどです。効果的なプラークコントロールのためには、正しい歯磨きの方法を身につける必要があります。まず大切なのは、歯ブラシの当て方です。歯の表面に対して歯ブラシを直角に当て、力を入れすぎず、小刻みに優しく動かす「スクラビング法」が基本となります。ゴシゴシと大きく動かすと、歯や歯ぐきを傷つけるだけでなく、毛先が歯と歯の間に入り込まず、プラークを取り残してしまいます。特に歯周病が気になる方は、歯と歯ぐきの境目に45度の角度で毛先を当て、優しく振動させるように磨く「バス法」が有効です。この境目にある歯周ポケットは、プラークが最も溜まりやすい場所だからです。また、磨き残しやすい場所を意識することも重要です。奥歯の噛み合わせの面や、歯の裏側、そして歯並びが悪い部分は特に注意が必要です。鏡を見ながら、一本一本の歯を丁寧に磨くことを心がけましょう。歯磨きにかける時間は、最低でも3分は確保したいところです。テレビを見ながらなどの「ながら磨き」ではなく、自分の口の中と向き合う集中した時間を作ることが、プラークコントロールの質を格段に向上させます。毎日の正しい歯磨きは、面倒な作業ではなく、将来の自分の歯と健康を守るための最も効果的な投資なのです。