舌にできた痛みを伴う小さくて白いできもの。そのほとんどは「口内炎」、特にアフタ性口内炎と呼ばれるものです。食事のたびにしみて痛む、会話をするのも辛いなど、小さいながらも私たちの生活の質を大きく低下させる厄介な存在です。この口内炎ができる主な引き金は、ストレスや疲労、睡眠不足による免疫力の低下です。体が疲れていると、口の中の粘膜の抵抗力が弱まり、わずかな刺激でも炎症が起きやすくなります。また、栄養バランスの乱れ、特に皮膚や粘膜の健康を保つビタミンB群の不足も、口内炎を繰り返し発症させる大きな原因となります。物理的な刺激も無視できません。うっかり舌を噛んでしまったり、硬いお菓子や歯ブラシが当たってできた傷から細菌が入り込み、炎症を起こすこともあります。口内炎ができてしまったら、まずは体を休ませ、栄養のある食事を摂ることが回復への近道です。食事は、香辛料や酸味の強いもの、熱すぎるものなど、刺激になるものは避けましょう。おかゆやスープ、豆腐、ヨーグルトなど、口当たりが優しく、あまり噛まなくても食べられるものがおすすめです。口腔内を清潔に保つことも重要ですが、歯磨きの際は患部に歯ブラシが当たらないよう優しく磨いてください。市販の口内炎治療薬(軟膏やパッチタイプ)を上手に活用するのも良いでしょう。しかし、口内炎が頻繁にできたり、一度にたくさんできたり、二週間以上たっても治る気配がなかったりする場合には、単なる口内炎ではない可能性や、他の病気が隠れていることも考えられます。我慢せずに、歯科や耳鼻咽喉科を受診することをお勧めします。