お子さんの口の中を覗いたとき、舌が白くなっていると、親としてはとても心配になるものです。何か病気ではないか、どこか具合が悪いのではないかと、不安がよぎるのも無理はありません。しかし、子供の舌が白くなるのには、大人とは少し違う、特有の理由がある場合が多いのです。慌てて病院に駆け込む前に、まずは落ち着いて考えられる原因を知っておきましょう。特に、母乳やミルクを飲んでいる赤ちゃんの場合、舌が白く見えるのは「ミルクかす」であることがほとんどです。飲んだ後のミルクが舌の上に残っているだけで、病的なものではありません。ガーゼで軽く拭うと取れるようなら、まず心配はいりません。ただし、拭っても取れなかったり、舌だけでなく頬の内側などにも白い苔のようなものが広がっていたりする場合は、「口腔カンジダ症(こうくうカンジダしょう)」、通称「鵞口瘡(がこうそう)」の可能性があります。これはカビの一種であるカンジダ菌が口の中で増殖するもので、痛みで哺乳量が減ることもあります。気になる場合は小児科を受診しましょう。少し大きくなった幼児や学童期のお子さんの場合、大人と同じように舌苔が原因であることが多くなります。特に、風邪をひいて熱を出したり、鼻詰まりで口呼吸になったりすると、口の中が乾燥して舌苔がつきやすくなります。また、胃腸の調子が悪い時にも舌は白っぽくなることがあります。食欲がない、お腹を痛がるといった他の症状がないかどうかも合わせて観察してあげてください。子供の口内ケアとしては、歯磨きの際に、ついでに柔らかい歯ブラシで舌の表面をそっと撫でてあげる程度で十分です。大人と同じようにゴシゴシ磨くのは絶対にやめましょう。ほとんどの場合、子供の舌の白さは一時的なもので、体調が回復したり、口の中が潤ったりすれば自然に改善していきます。日頃からお子さんの口の中をよく観察し、普段との違いに気づいてあげることが大切です。
子供のベロが白い!心配する前に知っておきたいこと