効果的なプラークコントロールは、自分自身で行う「セルフケア」と、歯科医院で専門家が行う「プロフェッショナルケア」の二つが揃って初めて成り立ちます。この二つは、まさに車の両輪のような関係であり、どちらが欠けても健康な口内環境を維持することはできません。セルフケアの主役は、言うまでもなく毎日の歯磨きです。歯ブラシやフロスを使い、日々のプラークをできる限り除去することが基本となります。しかし、どれだけ丁寧に磨いているつもりでも、必ず磨き癖による磨き残しは生じてしまいます。また、プラークが硬化してしまった歯石は、セルフケアでは取り除くことができません。そこで重要になるのが、歯科医院でのプロフェッショナルケアです。歯科衛生士などの専門家が、専用の器具や機械を使って、自分では落としきれないプラークや歯石を徹底的に除去してくれます。これを「PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)」と呼びます。PMTCでは、歯の表面をツルツルに磨き上げるため、プラークが再付着しにくい状態を作ることができます。また、定期的に歯科医院に通うことで、虫歯や歯周病の兆候を早期に発見し、深刻な状態になる前に対処することが可能です。自分の磨き癖を指摘してもらい、正しいブラッシング指導を受けることもできます。セルフケアを毎日しっかり行い、その上で3か月から半年に一度はプロフェッショナルケアを受ける。このサイクルを確立することが、生涯にわたって自分の歯を守るための、最も賢明で確実なプラークコントロールの実践法と言えるでしょう。